『スター・ウォーズ』旧三部作は、元祖SWなだけあって熱狂的なファンが多いです。
その中には原理主義者みたいな人達がいて、後に作られたSW作品を一切認めず貶して叩きまくっていました。
筆者としては彼らに一切同意できません。新三部作（プリクエル）はそんなにつまらないのでしょうか？
この記事ではプリクエル世代の筆者が、2018年までに公開された『スター・ウォーズ』エピソードの好きな順番とその理由を書いていきます。
（注：これは2018年6月に書かれた記事です。よってスピンオフを除く、2018年時点で公開済みのナンバリング作品が対象になっています）
補足・説明
『スター・ウォーズ』に詳しくない方のために、少し説明をしておきます。
『スター・ウォーズ』旧三部作とはエピソード4, 5, 6 のこと。一番最初に作られた三部作でオリジナル・トリロジーとも呼ばれます。
（※以下、エピソードをEPと表記）
この旧三部作（オリジナル・トリロジー）に対し、EP1, 2, 3 は新三部作（プリクエル・トリロジー）、EP7, 8, 9 は続三部作（シークエル・トリロジー）と呼ばれます。
シリーズで一番最初に作られた映画がEP1ではなくEP4というのは少々わかりづらいですね。EPの数字は作られた順番ではなく、物語世界の時間の流れに沿って付けられています。
あと、EP1はEP6の公開から15年以上後に公開されました。かなり間が空いています。
オリジナルを劇場で観た世代と、そのころまだ生まれていない世代で意見に違いが出るのもやむなし。やはり多感な時期に観た作品の影響は大きいですからね。
好きなエピソード
さて、筆者はオリジナル公開時にはまだ生まれていない世代です。プリクエルは劇場で観ました。
そんな筆者はEP3『シスの復讐』が一番好き。これは譲れません。二番目に好きなのがEP4『新たなる希望』。次がEP1『ファントム・メナス』かな？
EP2, 5, 6 は同じくらい好きなので順番が付けにくいです。こんなことを書くと旧作原理主義者にすごく怒られそう。旧三部作と新三部作を同列に語るのは許されない行為でしょうね。
なお、EP7『フォースの覚醒』は嫌いです。オリジナリティのない焼き直し映画で、ガッカリしたのでビリです。ご都合主義満載で設定もガバガバ。作らなくてよかっただろこれ……。
ジョージ・ルーカスの手を離れ、D社が作った初の『スター・ウォーズ』だったので不安視していましたが、悪い予感が的中しましたよ。
劣化コピー版EP4を見るなら本家EP4を見たほうがいい。でもオリジナル世代のファンにはEP7に肯定的な人も少なくないんだよなぁ……不思議。EP1～3は叩くのにこれはいいのか！？
EP8『最後のジェダイ』はつまらなくはないけど普通の映画でした。映画としては悪くないけど『スター・ウォーズ』作品としては微妙。
『スター・ウォーズ』特有の雰囲気というか「らしさ」がないですね。まあ、オリジナリティはあったからEP7より何倍もマシですが。
エピソードを筆者が好きな順に並び替えると下のようになりますよ。
3 > 4 > 1 > 2, 5, 6 > 8 > 7
『スター・ウォーズ』ファンと一口に言っても人によって順番が全然違うから面白いです。
各エピソードの感想＆コメント
上の順位に関係なく思いついた順番に感想を書いてます。多少ネタバレがあるので未鑑賞の方はご注意ください。
また、エピソードの不満点を好き放題disっているので、強い思い入れのある方は気分を害するかもしれません。
旧三部作原理主義者に対する異議申し立てとしてキツい書き方をしていますが、D社に買収される前の作品はどれも好きなのであしからず。
エピソード4『新たなる希望』
一番好きなのはEP3『シスの復讐』ですが、EP4の完成度はやはりずば抜けてますね。無駄なシーンがない。神話論に沿って作ったらしいですが、本当に綺麗なまとまり方をしています。
一方でEP5やEP6は蛇足が多すぎる感じ。あっちこっちに話が飛ぶし。冗長なシーンや「これいる？」って言いたくなるシーンがいくつもあります。「それがいいんだろ！」という意見を否定はしませんが。
EP4は1977年の映画なので、CGで何でもできる現代と比べてしまうと映像技術が未熟だったり、ベイダー対オビ＝ワンの殺陣がしょぼかったりという欠点もあります。
ただ、それらが気にならないくらいの面白さ！
そもそもEP4がつまらないはずがない。この作品がつまらなかったら続編は作られず、『スター・ウォーズ』という作品自体忘れ去られていたでしょう。
一作目にして独特の世界観が余すこと無く描かれています。宇宙なんだけど汚れていてすごく泥臭い感じ。
ツルツルピカピカの近未来的宇宙じゃなく、生活感があるところが当時のSFファンには衝撃的だったらしいです。そのころは生まれてない筆者にはよくわからんけど。
あと、世界観に嘘くささがないですね。それぞれの種族に文化があって、それぞれの環境に適応して生きていることが納得できるのがすごい。世界に奥行きがある。
この時点で続編やスピンオフを作る素地がありました。
エピソード3『シスの復讐』
エピソード3『シスの復讐』は、ジョージ・ルーカスが監督をした最後の『スター・ウォーズ』です（※この記事を書いた2018年時点では最後。できれば新作を撮ってほしい……）
そのせいか描きたかったものを全て残さず詰め込んだ感じがします。シリーズの集大成。
内容の充実感が並ではなく、ずっと画面から目が離せません。冗長なシーンが一切無く、見せ場がずーっと続くような感じ。他の映画とは盛り上がりの量・質ともに桁が違う。
一般的な映画ではクライマックスに一番盛り上がるシーンを持ってくるけど、この映画では全編に渡ってずーっと盛り上がっています。
元気なときに見ないと勢いで疲れてしまうかも。本当に見せ場の連続。ハッピーエンドではないけど何度も見たくなる魅力がありました。
パルパティーンの壮大な陰謀が成就してジェダイは滅ぼされ共和国は帝国になり、アナキンは暗黒面に落ち……とシスの大勝利で話は終了。かろうじて赤ん坊のルークとレイアに希望が受け継がれます。
はっきり言って明るい話ではないけど不思議とカタルシスがある作品。なんかスッキリする。
映像的にもめちゃ面白い。イマジネーション豊かな惑星がたくさん出てきます。
惑星の巨大な竪穴の中に街があったり、チューバッカの故郷の森林惑星が出たりと、惑星観光的な楽しみ方もできますね。とにかくEP3は見どころが多くいろんな楽しみ方ができる。
宇宙戦も地上戦もライトセイバー戦も全てがてんこ盛り。非常に濃い作品で。一本で普通の映画3本分以上の内容があるように感じます。
個人的には文句なしに一番。最高の『スター・ウォーズ』作品です。
エピソード6『ジェダイの帰還』
ここから辛口注意。旧三部作ファンは気をつけて！
EP6はホントに茶番が多い。なんだよあのキグルミのクマ（イウォーク）は！
流石にチープ。まるでテディベアじゃんか。
そのぬいぐるみにやられる帝国軍弱すぎでしょ。しかも木製の原始的な武器で。銀河を恐怖で支配する帝国軍がテディベアに負けていいのかよ！
まぁ、旧3部作のトルーパーは新三部作のクローンと違い、基本情けない雑魚キャラだったからおかしくはないのだが……・
それとEP6はなんか中途半端な印象。シリアスにしたいのかコメディにしたいのかよくわからない。内容が散らかっていると思います。
仮定の話だけど、もし第一作がEP6のような内容だったら『スター・ウォーズ』はB級映画扱いされ、人気にならなかったと思います。
色々不満があるけど一番言いたいのは次。
ラストのパルパティーン（皇帝）の倒し方があんまりでしょ……。感動的なシーンが台無しですよ。ろくに抵抗できずポーンと投げられて死ぬってのは情けなすぎる。（しかも片手で）
賛否両論だったEP8でのスノークの死に方はコレのリスペクトかもしれんと思っていますよ。旧作ファンは皇帝の死に方に不満がないのですかね！？
もう少ししっかりベイダーと戦って、相打ちみたいな形になるのが良かったんじゃないのでしょうか。
弱すぎですよ、怖さがなさすぎる。ジェダイを虐殺して銀河帝国作り上げた極悪暗黒卿なのにね。これじゃ手から電気出すおもしろ爺さんじゃん！
あと、一回見ただけでは何故ベイダーが死んだのか謎ですよね。電気食らって生命維持装置が壊れたらしいけど、わかりにくいですよ。マニアにしか理解できん映画になってる。
子供の頃見た時にはルークに腕を切られたから死んだのだと思ってましたよ。子供の頃の筆者は「そんなんで死ぬのか！？ ベイダーってサイボーグのくせに弱いなー」と思ってました。
それと、新しいデス・スターが出てきて、再度ぶっ壊すっていうのも目新しさがなくスッキリしない。さらに焼き直しして、スターキラー基地を壊させたEP7はもっと酷いですが。
エピソード1『ファントム・メナス』
EP1は旧作からのファンには不評だけど、わかりやすいシナリオでシンプルに面白いと思います。起承転結がはっきりしている模範的な娯楽映画。
EP3『シスの復讐』みたいな残酷シーンがないから安心して子供に観せられます。EP3は一応、PG-13だからね。冒頭、クローン・パイロットが宇宙空間にパーンって放り出されて飛んでいくところからして結構怖い。
EP3とEP5『帝国の逆襲』は小さい子供に見せるとトラウマになりそう。EP5で言うとハン・ソロが凍結される所とか。実際子供の頃に見たときはめちゃ怖かった。ヒェー！！ってなった。
EP6『ジェダイの帰還』は残酷じゃないけど、ジャバ・ザ・ハットのシーンが微妙にエロくて嫌らしいから小さい子供にはどうかなと思う。レイア姫の衣装とかもね……。
イウォークのところはある意味子供向けなんだけど……。やっぱりEP6は場面毎のチグハグ感ある。アダルティなパートと子供向けが同居。
話をEP1に戻して良い点を挙げると、ライトセーバー戦のクオリティが旧作とは段違いでですね。ダース・モール戦の殺陣が最高！ しびれる。真似したくなった。
それ以外も普通に完成度高いと思うんだけどなぁ……。昔からのファンにはウケが悪いらしい。
そしてジャー・ジャー・ビンクスを殺したいほど憎んでいるファンが多いとか。そんなにウザいですかねジャージャー君？
まあ、EP1は厳しい見方をすればスピンオフ感がある映画ではあるね。他のエピソードに影響する大きな出来事がなく、全エピソード中での重要性はあまり高くないかもしれません。
でも単品として見れば完成度が高いと思うし、エンターテイメント映画として良く出来てると思います。そんなにダメな映画かコレ？
旧三部作世代は思ってたのと違うのが出てきたから怒ったんかね？
エピソード2『クローンの攻撃』
EP2はアナキンとパドメのラブシーンがお寒くて見てられません。しかもやたら長い。スター・ウォーズでこれやらなくていいでしょ……。
そういうの見たくて映画館来たわけじゃないから……。このせいで映画全体の印象が悪くなりましたよ。
ジャンゴ・フェットをオビ＝ワンが追うくだりは好きでしたけどね。ジャンゴがあっさり死んじゃったのはお約束か……。EP6であっさりやられたボバ・フェットのセルフパロディ？
終盤にあるドゥークー伯爵とのライトセイバー戦は不完全燃焼。なんかオビ=ワンとアナキンがとても弱く見えてしまって興ざめ。伯爵は伯爵でヨーダに負けそうになったら逃げるし……。
フォースの使えるジェダイ軍団が量産品のバトル・ドロイドにあっさりやられるのも情けない。この映画観るまでは、ジェダイってもっと強い印象だったんですよね。
増援に来たクローン・トルーパーのほうがジェダイより強いという印象を受けてしまった……。
クローン＞ドロイド＞ジェダイ って感じ。これは一応EP3におけるオーダー66の伏線なのかもしれんが……
総括すると、EP2は単なる「つなぎ」感が強い映画でしたね。ちょこちょこ面白い場面はあったけど、いまいち盛り上がらない。
盛り上がるであろうクローン戦争の内容は一切描かれず、開戦の所でエンドロールになるのが惜しい。EP3の冒頭までの3年間に行われた戦いは実写映画になっていません。
そのかわり外伝としてアニメになっています。EP2とEP3の間を描いた3DCGアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』は傑作なのでおすすめ。
アナキン、オビ＝ワンが活躍だけするだけではなく、脇役ジェダイやクローンがメインの話があって世界観が深まります。
ひょっとしたら映画より面白いかもしれない。ディズニーによる買収がきっかけで打ち切りになったのがもったいないです。（追記：後に再開されました）
エピソード5『帝国の逆襲』
これ、一般的にはシリーズ最高傑作と言われる映画ですね。でも個人的にはうーん……。
EP5は暗いし、ただ帝国から逃げるだけで盛り上がりや爽快感がないです。ここが旧三部作至上主義者と最も相容れない所。
昔からのファンにはこのEP5がいちばん人気みたいなのですが、どこが良かったんでしょうか？
ヨーダとの修行は名シーン扱いされてるけど、2回目以上観ると比較的退屈。そのシーンに限らず一回観たらもう良いやという映画です。（それでも5回以上は観たけど。いや、もっと観てるかも？）
映像面にも不満がありますね。冒頭で惑星ホスに帝国のウォーカー（四足歩行する戦車）が攻めてくる場面がありますが、そこの映像があまりにも安っぽすぎる。
模型がフニャフニャ動くような独特の動きが、なんかいかにも昔の映画だなと。当時は最先端の超すごい技術だったらしいけど、目の肥えた現代人が見ると違和感がすごい。
ベイダーがルークの父親だったことが発覚するシーンも衝撃的だったようですが、リアルタイムで観てないから別に……。観る前から知ってるからインパクトも何もないです。
ハン・ソロがひどい目に遭わされるし、ルークの腕は飛ぶし、なんか観てて辛い映画。落ち込む鬱映画。
EP3も暗いけどパルパティーン視点で見ると凄いカタルシスがあるし……。腐敗したジェダイが滅ぼされて、なんか若干スッキリしたり。
EP5が一番と言っているファンは、好きなキャラクターが苦しむ所を見て喜ぶサディストなのかと一瞬疑ってしまいます。そんなわけないでしょうけどね……。
ちなみに筆者は小さい頃、ハン・ソロの拷問シーンの意味がわからず、凍らせるための下ごしらえでもしてるのかなと思ってました。あれって、苦しめるとフォースで感知してルークがやってくるからなんですよね。
あとがき＆言いたいこと
『スター・ウォーズ』の一部エピソードを貶してみました。
なお、批判したエピソードも別に嫌いというわけではないです。あえて欠点を挙げただけ。ルーカスの『スター・ウォーズ』は面白い。神がかってる。
厳しい感想を書いた理由。それは、旧三部作原理主義者が他エピソードを滅茶苦茶にコキ下ろすのが我慢ならなかったから。
それは違うだろうと。産みの親ルーカスまで攻撃してますからね、イカれたファン達は。続編が思ったとおりの内容じゃなかったからって発狂して大暴れ。駄作のゴミ映画扱いしています。
それだけではなく、ルーカスが旧三部作を最新のCGで手直ししたのが気に入らないらしく、叩いてました↓
映像技術が未熟で粗が多い当時の劇場上映版をありがたがる姿は、まさに原理主義者。ルーカス本人が気に入らなくて直したのだから、修正後が正しい映像だと思うのですが。
（その主張もルーカス信者みたいで結構イカれてるな……。）
なお、旧三部作原理主義者のような過激な連中は海外に多いです。日本にはそこまで熱狂的なファンは少ないみたい。
悲しいことに日本では『スター・ウォーズ』自体そこまで人気じゃないと言えるかも。日本では『スター・ウォーズ』より『妖怪ウォッチ』の映画に客が入るみたいですし。
むやみに叩かないで
旧三部作が大好きだと主張するだけなら問題はないけれど、他の作品を一切受け入れず叩きまくるのはおかしいです。狂気入ってますよ。
新三部作や最近のEP7、8を自然に受け入れ楽しんでる人も多くいます。特に偏見のない若い世代のファン。
原理主義者は旧三部作に欠点が一切なく完璧みたいに言っているけれど、欠点を挙げようと思えばいくらでも挙げられます。反対に彼らが馬鹿にしている新三部作にも素晴らしい点が沢山ある。
心無いファンが誹謗中傷を繰り返したせいで、ルーカスは『スター・ウォーズ』を手放してしまいました。ルーカスの『スター・ウォーズ』新作はもう二度と見ることができません。とても残念です。
いろいろな価値観はあるけれど、自分の好みに合わない作品を極端に憎んで叩きまくるのはどうかと思います。
（自分もD社憎しで叩きまくらないよう気をつけたい……）
