映画『セブン』を見たけど期待したほどではなかった【感想】

1995年のアメリカ映画『セブン』を見た。監督はデヴィッド・フィンチャー。

定年間際の刑事サマセット(演:モーガン・フリーマン)と、若い刑事ミルズ(ブラッド・ピット)が、七つの大罪を題材に行われる連続猟奇殺人を探っていく話。

被害者は結構グロい殺され方してるからそういうのが苦手な人にはおすすめできない。

※以下ネタバレがあるので未視聴の方は注意。オチが分かってしまうと面白さが削がれてしまうタイプの作品なので気をつけてください。

 

 

感想

「特にひねりがなかったな……。」というのが見終えたときの印象。

『ファイト・クラブ』の監督だから、なんかもっとトリックやどんでん返しがあるんじゃないかと期待して見てたけど、あっさり終わったわ…。

サマセットが裏で糸を引いてるとか、ミルズが二重人格で実は犯人だとか期待してたのにな。

サマセットって妙に七つの大罪に詳しいし、都合よく退職の7日前から事件が始まってるし、最初の事件を見ただけでこれが連続殺人の始まりだと決めつけていたし、怖い顔してナイフ投げてたし、いっぱい思わせぶりなシーンがあって怪しかったんだよなぁ。

なんかあると思ったのに結局サイコな殺人鬼に翻弄されて終わりってだけの話なのかよ…。どっちの刑事も裏はありませんでした。

微妙にグロいのが印象に残っただけで期待してたほど面白くなかったわ。なんか名作だと聞いていたのになぁ。

終盤どうなるんだろうっていう期待の割にオチはあっさり。確かにラストの荒野のシーンは緊迫感があって引き込まれたけど、終わり方は予想の範囲内というかなんというか…。アッと言わせてほしかったわ。

序盤はテンポがそんな良くなくてちょっと退屈だったし…。

映像美が素晴らしいとも聞いていたけど、汚く陰鬱な都会の映像にもいうほどインパクトがなかった。公開当時はすごかったのかもしれないけど20年以上経った今見ると普通。あくまで個人的な好みだが。

名作と言われる割には全体的に微妙だったな。フィンチャー監督作品なら『ファイト・クラブ』のほうが何倍も面白かったわ。メッセージ性という意味でも。

言うほど罪か?

『セブン』のメッセージ性というか言いたいことは分かるけど自分の心に来るものじゃなかった。自分がキリスト教徒じゃないからなのかもしれないけど、七つの大罪って言われても自分ごととして考えられない。ふーんそういう罪があるんだねと。

「暴食(大食)」の罪って言うけど、食い過ぎてデブってなにが悪いのと思ってしまう。あそこまで太り過ぎるとキモいとは思うけど。

犯人だけじゃなく主人公たちも内心ではその手の罪、現代社会の悪徳に憤ってるみたいだけど、そうですかとしか思えん。自分はそういう奴らに怒りは抱かないし、復讐したいという気にもならない。

大罪というけどそもそも罪だという認識がないわ。何が悪いのかわからないよ。変な教義で善悪決めつけるほうがよっぽどいけないことなんじゃないのと。自分は異教徒(というか無信心)だから滑稽に見えてしまう。

あと、犯人のジョン・ドゥにリアリティがないよね。嘘くさい。この手のサイコ野郎はもう食傷気味。もうなんかテンプレキャラ感があるよ。これも当時は新鮮だったのかもしれないけど。

なんか映像の勢いで納得させられてる感じだけど、作品内で描かれてる殺人って実行するの難しすぎないか? ほんとにこのサイコ野郎が一人でやったのかよ。

しかも本名経歴不明で資金がいっぱいあるとか、ご都合主義を感じてしまう。

やっぱりサマセットがグルだったほうが納得行くんだけどなぁ。

 

うーん、決してつまらない映画ではなかったのだけれども、期待してたほどのものではなかったですね。七つの大罪という概念に馴染みがあるキリスト教徒には刺さるのかもしれない。

コメント

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